セルフケアについて

・セルフケアのこと

・もみ返し、瞑眩について

・痛みの入れ替わり現象について

・参考本


セルフケアのこと


痛みが出たり身体の調子が崩れてしまった時に、マッサージを受けたり治療院に行かれる方は多いと思います。

身体を整えると、痛みやその他の辛い症状がラクになってきます。

このままの状態が続けば良いのですが、なかなかそうもいきませんね。

次に施術を受ける頃には、殆ど元の状態に戻ってしまう・・・という経験をされている方は多いと思います。


身体の使い方の癖・仕事の体勢・家具の配置や椅子や机の高さ。そんなことが身体に影響を与えて身体は施術を受ける前の状態に戻ろうとします。

或いは、すっかり忘れて昔の傷跡、子供の頃の捻挫やしりもち、そんなことも影響します。

内臓が元気がなくても、やっぱり身体が固まったり傾いたりしてきます。

そして、それが痛みや痺れやだるさ等の症状となって出てくる・・・痛いと更にそれを庇っての不の連鎖。


勿論、ケアを続けていけば、良くなったり戻ったりを繰り返しながらも徐々に身体は良い状態へと向かっていきます。

でも、ここにセルフケアを加えたら、もっと良い効果が出ると思いませんか?

戻りを少なくして、施術後の効果を長引かせることもできます。


プロの施術家の施術の効果を10としたら、セルフケアの効果は1なんだそうです。

ただ、プロの施術は毎日受けるわけにはいきませんが、セルフケアは毎日行うことができます。

1日「1」の効果が得られるのなら、10日続ければ「10」です!


そして、もっと大切なことが有るんです。


慢性の痛みになると、痛む場所だけの問題ではなくなり、脳が関係してきます。

痛みが長引くと、普通なら痛いと思わないくらいの刺激を痛みとして感じたり、痛くないはずの場所に痛みを感じたりするようになりますが、この「痛みを学習してしまった脳」をリセットできるのがセルフケアです。


人に頼るだけではなく、自分で何とかしよう!何とかしたい!という気持ちも大切です。


セルフケアを行うと、自分の身体に詳しくなってきます。

これも大きなメリットだと思います。


何故痛いのか?

どうして辛いのか?


それが分かってくると、同じ痛みでも受け止め方が全然変わってくると思います。

漠然と辛かった時よりも、気持ちがラクになってきますよ。


からだを動かすこと。

からだの状態を知ること。

痛みに付いて知ること。


ただし、自己流のセルフケアだと効果が薄かったり、却って身体を痛めてしまうことがあります。

身体に負担が掛からない方法を知って、効果を実感してください。

動かすことの大切さ



痛いと身体を動かすのが、辛かったり、怖かったり、動きたくても動かせなかったり・・・。

けれども、その動かないということが、更なる痛みを作ったり、痛みを長引かせたりします。


ネズミを使った実験があります。

健康なネズミの足をギプスで固定する。そうすると、暫くしてネズミは痛いよ~という行動を取り始めるのです。固定し続けると痛みの範囲は広がります。

そして、その痛みは固定を解除してからも暫く続いてしまうのです。

さらに長く固定したネズミは、固定解除後も痛みの改善が見られなかったそうです。


このように、動かない・動かせないということは、そのこと自体が痛みの原因となります。


慢性となった痛みは、脳や脊髄の可塑性による変容によって起こっています。

痛いけれども、急性痛と違って「そこが傷んでいるから痛い」というわけではないのです。

こうなると、痛み止めは効きません。

また、痛み止めのクスリを飲み続けること、痛み止めの貼り薬を使い続けることは、血流を抑えて、痛みが治り辛い身体を作ることになります。急性期の痛み止めはとてもありがたい存在ですが、いつまでも飲み続けて良いものではありません。


そこで、運動の出番です。


身体を動かすことによって、血流が良くなり身体に酸素や栄養が行き渡ります。

気力が増したり、ストレスを軽減させる効果が有ることも分かっています。

心と身体は影響しあっているので、これは痛みの緩和の為にも大切なことなんです。

痛みを覚えてしまった(感じ易くなってしまった)脳をリセットする効果もあります。


ただし、無理な運動は逆効果になることも有るので注意してください。


無理のない範囲で、優しく身体を動かしていきましょう。

揉み返しに付いて



もみほぐし屋さんに行ったりマッサージを受けた後に、身体が痛くなったり、気分が悪くなってしまったという経験はありませんか?

「揉み返し」や「瞑弦」と言われる状態ですが、これはセルフケアの場合にも起きることがあります。


原因は自立神経のバランスに有ります。


交感神経・副交感神経のバランスは複雑です。

痛み等で局所の交感神経が緊張している状態が続くと、全身の神経が緊張することがあります。

これは何となく、イメージしやすいのではないではないかと思いますが、反対に局所の交感神経の緊張が全身の副交感神経を緊張させることもあります。

注射を受けた後に血圧が下がったり、だるくなったりする所謂迷走神経反射が、典型的な例です。

セルフケアの場合でも、緊張の高い状態に更に刺激が加わることで迷走神経反射が起きることがあります。

強い緊張が続いているような場合等は、極々柔らかい刺激にも反応を起こします。

また、急激な交感神経の緩和は副交感神経過剰状態を引き起こし、結果として症状が強く出ます。


日頃あまりケアをされていない方や、痛みや不調が続いている方は、セルフケアを行ったり、マッサージを受けた後に一時的に痛みが増したり、身体のだるさが数日続くことがありますが、これは調整の過程ですので、そんな時は水分をたっぷり飲んで身体を休めるようにしてください。

痛みの入れ替わり現象について



セルフケアや施術を受けて痛みが緩和された後に、他の痛みが出てくることが有ります。


これは、最初に感じていた痛みが、内因性鎮痛機構というシステムて他の痛みを抑えていたことを示しています。


始めに感じていた痛みが改善されたことによって、それまで鎮痛されていた他の痛みが自覚されるのです。


入れ替わった痛みが別の場所に出た場合(例えば、肩の痛みが完全したら腰痛が出た場合等)は、分かり易いのですが、入れ替わった痛みが始めに感じていた痛みの近くに出た場合に、新たな痛みのほうが強い場合「前より痛みが酷くなった」と感じることが有りますが、「痛みの入れ替わり」について知っていると心配し過ぎないで済みます。


セルフケアの後などに気になることが有りましたら、どうぞお知らせください。

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専門書なのでなかなか難しいです。でも、ところどころを拾い読みしてみるだけでも参考になる情報を色々と得ることが出来ます。